目を覆うほどにみすぼらしい意志とみすぼらしい行動力。それらに,誰も敬意など払わないし,誰も支持などしない。
レイン・マクライドは手軽にインターネットラジオ局を開設できる,ストリーマーというソフトを開発した。これは先日決定したネット・ラジオ局への著作権料設定に対し,多くのラジオ局が地下で活動を始めるサインかもしれない。ネット・ラジオ局は常に著作権を侵害するような色を持ち合わせてきた。だが,マクライド氏は多くの人が著作権料によるネットラジオ局の閉鎖を支持するとは思わない,と断言する。
シャウトキャストやアイスキャストによる,地下放送は増えるだろう。それは,先日の著作権料設定(過去記事1,2)でほぼ予想できたことだ。記事中にもあるが,多くのラジオ局がすでに放送を停止している。人気のあったSomaFMも同じで,ウェブサイトには「RIAAに殺された」を痛々しく記されている。だが,シャウトキャストのサイトのラジオリストをみていると,そんな動きは感じられない。
Live365も新しい料金設定を行った。これまで初期登録ユーザーには無料で放送を行わせていたが,これを廃し,月額5ドルを著作権支払い料として設定した。8月1日までにこの支払いに同意しなければステーションは取り消される。この5ドルという料金は,Live365が開設された1999年7月にさかのぼっての著作権料も含むもので,破格の安さだと思う。その意志に,私はオーダーしたいと思う。だがこれはもちろん,無法な著作権料の支払いに同意したわけではなく(どうせRIAAの楽曲はほとんど流さないしね),Live365への支持以外のなにものでもない。もし音楽業界が,Live365と同じような歴たる心持ちをちょっとでもみせてくれていたら,話はこんなに混乱しないはずなのに…。日本においても米国においても,音楽業界のそのへたれっぷりだけがみすぼらしい。
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